札幌市白石区菊水上町4条2丁目359-1アクセス 011-833-1120

理事長あいさつ

理事長
玉置 透
外科指導医 医学博士

当クリニックは、腎臓病の総合医療センターを目標として、平成27年2月にここ白石区菊水上町に開設いたしました。

これまで私は、消化器外科・腎臓移植外科をライフワークとしてきました。現在、日本臓器移植ネットワーク北海道責任者として、また北海道移植医療推進協議会の理事として移植医療の推進活動、そして多くの生体腎・献腎移植を行ってきました。

腎移植は末期腎不全の根本治療でありますが、提供者不足のため多くの腎不全患者さんがその恩恵に浴することなく、血液透析や腹膜透析などの腎代替治療を受けているのが現状です。透析治療も長期間続けますと貧血・高血圧・四肢動脈硬化・骨粗鬆症など生活の質を脅かす合併症が問題となっています。

本来、24時間フルに活動している腎臓は1週間に換算すると168時間も働いています。健康な方の腎臓の働きを糸球体濾過量(GFR)で表すと80〜90 ml/mim/1.73m2になります。しかし、通常の血液透析では、4時間透析を週3回では12時間に過ぎず、本来の腎臓のわずか7%しか代行できていないことになります。したがって透析後のGFRの回復も10前後にしかなりません。一方、腎移植後のGFR値は30〜60ほどになり、ほとんど健康な方と同様な生活が可能です。GFR値は20前後に回復すれば腎移植までとはいきませんが、かなりの生活改善が得られます。

現状の透析技術でこれを可能にさせる唯一の方法は「長時間透析」です。午前中から7〜8時間の長時間透析も可能ですが、週3回では日中の生活時間が奪われますし、長時間臥床を強いられるのは苦痛です。これを解消する手段は仕事を終えられてからの夜間透析や就寝中に行われる深夜透析です。また、ご自宅で自由に行える在宅透析も有効な方法です。

当クリニックは、道内ではいち早く先がけて「深夜(オーバーナイト)透析」を行っていますが、良眠をえるために完全個室化。患者さんの体調に合った至適透析条件の設定や栄養管理など、まだまだ改善しなければならない点があります。

これまで多くの腎移植患者さんの治療に当たってきましたが、これらの経験を基にして「生活の質の向上」を目指す透析医療を一人でも多くの腎不全患者さんに提供すべく、スタッフ一同最善を尽くす所存であります。また、腎臓移植を考えていらっしゃる患者さんやご家族の方も遠慮なく移植コーディネーターにご相談ください。

医療法人社団にれの杜クリニック 理事長  玉置 透


●理事長略歴
・昭和49年03月  北海道大学医学部卒
・昭和49年04月  北海道大学医学部第一外科勤務
・昭和58年09月  英国ケンブリッジ大学移植外科留学(2年間)
・昭和60年12月  東京医科大学第3外科助手
・昭和62年04月  国立小児病院小児医療研究センター室長
・昭和63年04月  東京医科大学八王子医療センター臓器移植部講師
・平成06年08月  社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 外科/腎臓移植外科部長
          人工臓器・移植 ・遺伝子治療研究所所長兼任
・平成27年01月  医療法人社団にれの杜クリニック理事長

●院外活動
・平成08年04月  日本臓器移植ネットワーク東日本支部支部長補佐 同北海道連絡所責任者兼任
・平成16年04月  北海道移植医療推進協議会理事
・平成18年04月  北海道大学客員准教授

●所属学会
・日本移植学会(評議員、元監事)、日本外科学会
・日本臨床腎移植学会(元評議員)、日本臓器保存生物医学会(理事)
・日本低温医学会(理事)、日本透析医学会など